2013年05月13日

動作の様子や状況を説明する

状況や動作の様子を説明する修飾語について、引き続き考えてみましょう。
このような働きの修飾語については、日本語と英語では非常によく似ています。共通点も多く、原理上、ほとんど同じだと考えても構わないくらいです。
ここで課題となるのは、日本語の助詞(格助詞)と英語の前置詞(または前置詞句)です。
したがって、日本語の正確な文法を理解すれば、それをそのまま英語に使えるともいえます。
入口を探るために、具体例で考えてみましょう。

①動作の方向や目的地を示す
 駅 に 向かう。⇒ to, for
 北 へ 歩く。⇒ toward
 公園(のなか) に 入る。⇒ into
②動作の起点・出発点
 事務所 から 来た。⇒ from
③動作の理由や原因
 病気 で 寝込む。⇒ with, because of, from
 雨 のため 、遅れた。⇒ for, because of
 苦しい ので(から) 、立ち止まった。⇒ for, because of, since, from
④動作の手段や方法
 自動車 で 旅をする。⇒ by
 列車 で 行く。⇒ by
 鉛筆 で 書く。⇒ with

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2013年03月31日

因果関係を表す

接続詞の働きと用法の3つ目の例文を考えてみます。
③ 風が吹き、旗竿が揺れた。
 The wind blew and the flag pole swayed.
「揺れる」は、ほかに shake(shook) roll swing(swung) など、どれでもいいです。
ここで and には、「その結果」「しかるに」「そのため」という因果関係を示すニュアンスがあります。

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次に、「風が吹き」という部分と「旗竿が揺れた」という部分との関係を明白にして、この文の構造がわかりやすい文にしてみます。
日本語では、
風が吹いたので、旗竿が揺れた。
となります。「ので」は順接の接続助詞です。同じ働きの接続助詞には、ほかに「から」「ため」などがあります。

さて、(そのうしろに)原因や理由を説明する節や句を導く接続詞としては、 for since because as などがあります。ここでは、 for を使ってみます。
 For the wind blew, the flag pole swayed.
 The flag pole swayed, for the wind blew. と、前の節と後ろの節を入れ換えてもOK。
原因・理由とその当然の結果・結論の関係を示す接続詞で、「順接」という用法です。「順」とは「順当な」つまり「当然の帰結」という意味合いです。

この英文は、「旗竿が揺れたのは、風が吹いたからだ」とも和訳できます。
この日本語では、はじめに結果(結論)が来て、あとに原因(理由)の説明が来ます。しかし、因果関係はまったく同じですから、同じ構造と意味合いの文になるのです。
その意味では、日本語の方が英語よりも表現がちょっぴり多様(豊富)だといえます。

 

ところで、文法上、英語では接続詞( for since because )を使った文は「複文」になり、接続詞がついた節は従属的な役割となります。ここでは、中心となる節につながって、理由や原因を説明する働きをします
そういう構文を意識して文をつくり話す習慣をつけましょう。
もちろん、文法上はそうなのですが、会話のなかで相手に理由や原因をより強く訴えたいと思うときには、抑揚として(とくに接続詞を)より強く発音すればいいのです。

文法=構文上の中心(主節・独立節)がどれか、従属説は(理由や程度や度合い、付帯状況などの)何を説明しているのかを強く意識して話す(書く)習慣をつけると、聞き取りのときにも、相手の話の文脈を構造的に理解する能力が身につきます。
その訓練のために、英語で日記を書くのもいいでしょう。文法的に間違っていても、かまいません。とにかく、思いついたことを表現することが何より重要です。

posted by 田舎おやじ at 10:19| Comment(0) | 接続詞を考える | 更新情報をチェックする

2013年03月21日

ヒアリングと文法

前回、聞き取り=ヒアリングの力量をつけるためには文法が不可欠だと述べました。そして、自分が「話す=伝える」つもりで「文の仕組み=文法」を学ぶことが、決定的に重要だということも。
普通、自分が話せる能力以上には、ヒアリングする能力は身につきません。

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英会話学校に入りたての人たちが、はじめのうち、あれこれの個々の単語が聞き分けられるようになったと喜ぶ姿がよく見られます。
しかし、それは幼児が、おとなの発する言葉を聞きかじり、1つひとつ単語や熟語を聞きわけて記憶する成長段階に当たるものにすぎません。
そのとき、文法や構文をしっかり学んでいこうと努力するかしないかで、道ははっきり分かれます。
成功の道に向かって努力する人の割合は、残念ながら全体の1~2割くらいでしょうか。

それだけは、もちろん「会話」でも会話の一環としての「ヒアリング」にも達していません。
会話とは、意味の全体=文脈を理解して、意思(考えや要望など)をやり取りすることです。

◆文全体の文脈(構文)◆

そのためには、聞き取れた1つひとつの単語や語句が、文全体のなかでどのような役割や働きをしているのか、ほかの語との関係や結びつきがどのようになっているのかを理解できなければなりません。
聞き取れた単語が、否定とか除外の文脈で使われているかもしれません。あるいは会話の相手が、あくまで一例として示しただけで、(関連する)それ以外の言葉を返答してくれることを期待して発した言葉かもしれません。

たとえば、 break の過去分詞 broken を聞き取ったとします。
しかし、それは、
 The dish was broken by your sister. 
 この皿は君の妹によって割られた。
  のように、「何かが壊された」という受け身の動作・状態を意味していることもあれば、
 I found some pieces of the broken statue.
 私は、壊れた彫像の破片をいくつか見つけた。
のように、分詞形容詞として使われているかもしれませんし、さらに
 They have broken this bicycle thoroughly.
 彼らはこの自転車をすっかり壊してしまった。
のように、現在完了の意味で使われていることもあります。

◆言葉の役割と用法◆

それを聞き分けるためには、言葉が出てくる順序や前後にある語がどうなっているか、そして、文のなかでの役割=働きを知る必要があります。
つまり、文法規則を理解しなければなりません。
具体的にここでは、 broken という過去分詞には、少なくともこの3つの用法=意味合いがあるということを知らなければなりません。
そのためには、
①受動態(受け身)という「動詞や動作の態」という規則
②現在完了形という「時制」(過去形や現在形、未来形などとの時制の区別)
③分詞の形容詞的用法(分詞形容詞の用法。現在分詞が使われる場合との違い)
に注意を向けなければならないということになります。

posted by 田舎おやじ at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 聞き取りと会話 | 更新情報をチェックする

2013年03月20日

英語の聞き取りの練習方法

日本語の言語世界で生まれ成長した私たちにとって、英語の聞き取りはむずかしいものです。
難しさの最大の原因は、文法が理解できていないことにあります。しかも、文法は、かなりの数の単語や熟語、慣用句などの綴りや意味、用法などの記憶・理解のうえに成り立っているのです。
要するに、個々の単語にしても、文の構造や文章にしても、意味と文脈が理解できないからです。

しかし、このことは、半ば以上に自動化された脳の反応の仕組みの問題です。ですから、英語を学ぶ人自身には、「なぜできないのか」がわかりません。とにかく、むずかしい、理解できないというわけです。

◆文法情報は自分の頭のなかにある!◆

人間の脳は不思議なもので、子どもの頃から覚えてきた言葉の法則や用法を、そこそこ論理的に整理して組み立てているのです。
日常会話のとき、じつは私たちの脳は、文法や単語、会話規則についてのデイタベイスとやり取りして言葉を発し、相手の言葉を理解しているのです。
そのプログラムは自動化されていて、私たちが意識することはありません。日本語については、頭のなかに相当に豊かな情報=デイタベイスがあるのに、それを自覚的・意識的に使うことはないのです。
とはいえ、意識的にデイタベイスを利用するように訓練することはできます。

このことのために、私のアドヴァイスは「日本語をきちんと正確に話すこと」「日本語の文法を理解すること」「自分が話そうとする文を、文法的に分析してみること」を最重要の課題としているのです。
私たちは、日本語の世界で生まれ育ったので、英語の文法や語法・書法を自動的反応にするように身につけることがないうちに大人になってしまいました。

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◆理解の糸口は文法、そして文法は最高の武器◆

しかし、日本語については自動化された理解システムが頭のなかに仕込まれているはずです。デイタベイス化され、自動判別回路ができているのです。
それを徹底的に利用するために日本語を学び直して、英語文法との連結の回路を組み立てて、文法上、語法上、日本語と英語とをリンクさせようという狙いなのです。

はっきり言って、文法を理解しない人、理解しようとしない人は、どれほど英会話の学習をしても、ほとんどまったく無駄です。

◆聞き取りの基礎は話すこと◆

幼児が言葉を覚えていく過程をみると、「自分で声を出すこと」「自分の声を周りの人の言葉に似せること」「片言を口にすること」から始めています。たぶん、生きるために「自分の欲求を相手に伝達すること」が最優先されるからではないでしょうか。
そして、幼児は自分が話せる言葉能力よりも高度なことは、やはり意味を理解するという意味では「聞き取ること」ができないようです。
してみれば、とにかく話すこと、自分の気持ちや要望を発信することが、聞き取り能力の学習の出発点になっているようです。
というよりも、「生き残るために」自分のメッセイジをまず相手に伝える、そのために今度は相手の言葉を理解する、という仕組みというかプロセスなのでしょう。

そうなると、聞き取りの訓練のために「自発的に話すこと」「話すための言葉の準備」がまず必要になります。
したがって、聞き取り練習では、相手の話題の文(教材テクストの文)の文法上の構造をできるだけ理解し、すべての単語や熟語、慣用句について理解して、自分で会話に使えるところまで習熟(予習)しておくことが不可欠です。
聞き取りでの「落ちこぼれ」「脱落」の大半以上が、このことを踏まえていないで、甘い準備(予習)しかしていないことが原因で発生するようです。日々の地道な準備が、1年後の大きな成果に結びつくはずです。

ヒアリング練習では、はじめのうちは、事前に読んで学び、自分で十分理解し理解した文を聞き取ることから始めましょう。そういう文をできるだけ増やして経験を積むことで、達成感(つまり理解のデイタベイス)を感じることができ、新たな努力目標が生まれてくるでしょう。

posted by 田舎おやじ at 08:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 聞き取りと会話 | 更新情報をチェックする

2013年03月18日

逆接の接続詞

では、次の例文について考えましょう。
2番目の例文は、次のとおりです。
② 学生たちは駅に急いだが、電車には間に合わなかった。

「電車に間に合わなかった」は、「列車を逃す lose(lost) the train 」としましょう。
日本語では、「が」は逆接の接続助詞です。同じ意味用法の接続としては、「しかし」「だが」「けれども」「ところが」などがあります。
英文に直してみましょう。

a) The students hurried to go to the station, but they lost the train.
b) Though the students went to the station in a hurry, they lost the train.
「駅に急いだ」は、「急いで駅に行った」と考えます。 a)では、hurried(hurryの過去形)を動詞として使っていますが、 b)では、名詞として使っています―― in a hurry 「急いで」という副詞句になります。
口語的に hurried up to the station で、「駅に急いだ」という言い方ももちろんできます。「急ぐ」には、ほかに meke haste という熟語もあります。

重文か複文か、構文の選択

ここで、「しかし」「けれども」の表現としては、
but を使って、重文の構文にする という方法と、however  とか though など、逆接の従属接続詞を使って、複文の構文にする という2通りの方法があります。
a) の英文が but を使った例で、b) が複文の例です。

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分詞構文を使う

また、「分詞構文」を使って、接続詞を省く方法もあります。
 Hurrying to go to the station, the students lost the train.
 Going to the station in ahurry, the students lost the train.
分詞構文とは、現在分詞や過去分詞を使って、連続・前後する行動、原因と結果、仮定条件、並行動作・付帯状況などを意味する句(語群)を副詞句としてつくる方法です。
現在分詞とは、語尾に ing を付けた形で、「能動的な動き・状態」を意味します。
過去分詞とは、規則変化動詞の場合には語尾に ed(ied) を付けて、「受動的な動き・状態」を意味します。

分詞構文の意味と用法

で、副詞句とは、日本語にすると「~したのちに」「~したけれども」「~したから」「~した結果」「~するならば」「~しながら」という意味合いの部分(修飾部)です。
「~しながら、・・・する」という構文の場合、「・・・する」という部分が文の中心(主要部)で、「~しながら」の部分は副詞句で、副次的・従属的なものにすぎません。
そして、《中心部の主語》と《副詞句の意味上の主語》とが一致するときは、副詞句の主語は省くのが原則です。

例文をあげてみましょう。
c) Beaten by the hard rain, the children were walking along.
ひどい雨に打たれながら(にもかかわらず)、子どもたちは歩き続けた。⇒付帯状況
d) Looking around, the boys ran in the pasture.
あたりをきょろきょろ見回しながら、少年たちは牧草地を走った。⇒並行動作
e) (Being) Not so careful, they fell into the trap. 注意が足りなかったので、彼らは罠にはまってしまった。⇒因果関係
f) Taking care fully, they wouldn't fall into the trap.
十分に注意していれば、罠にはまることはないだろうに。⇒仮定条件

e)の例文では、be動詞の現在分詞 being は省かれています。 being は省くことができ、口語では省くのが普通です。
過去分詞を使った分詞構文では、かつては受動態の being が使われていたのですが、やがて省かれてきたという歴史があります。

posted by 田舎おやじ at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 接続詞を考える | 更新情報をチェックする

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