2013年03月21日

ヒアリングと文法

前回、聞き取り=ヒアリングの力量をつけるためには文法が不可欠だと述べました。そして、自分が「話す=伝える」つもりで「文の仕組み=文法」を学ぶことが、決定的に重要だということも。
普通、自分が話せる能力以上には、ヒアリングする能力は身につきません。

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英会話学校に入りたての人たちが、はじめのうち、あれこれの個々の単語が聞き分けられるようになったと喜ぶ姿がよく見られます。
しかし、それは幼児が、おとなの発する言葉を聞きかじり、1つひとつ単語や熟語を聞きわけて記憶する成長段階に当たるものにすぎません。
そのとき、文法や構文をしっかり学んでいこうと努力するかしないかで、道ははっきり分かれます。
成功の道に向かって努力する人の割合は、残念ながら全体の1~2割くらいでしょうか。

それだけは、もちろん「会話」でも会話の一環としての「ヒアリング」にも達していません。
会話とは、意味の全体=文脈を理解して、意思(考えや要望など)をやり取りすることです。

◆文全体の文脈(構文)◆

そのためには、聞き取れた1つひとつの単語や語句が、文全体のなかでどのような役割や働きをしているのか、ほかの語との関係や結びつきがどのようになっているのかを理解できなければなりません。
聞き取れた単語が、否定とか除外の文脈で使われているかもしれません。あるいは会話の相手が、あくまで一例として示しただけで、(関連する)それ以外の言葉を返答してくれることを期待して発した言葉かもしれません。

たとえば、 break の過去分詞 broken を聞き取ったとします。
しかし、それは、
 The dish was broken by your sister. 
 この皿は君の妹によって割られた。
  のように、「何かが壊された」という受け身の動作・状態を意味していることもあれば、
 I found some pieces of the broken statue.
 私は、壊れた彫像の破片をいくつか見つけた。
のように、分詞形容詞として使われているかもしれませんし、さらに
 They have broken this bicycle thoroughly.
 彼らはこの自転車をすっかり壊してしまった。
のように、現在完了の意味で使われていることもあります。

◆言葉の役割と用法◆

それを聞き分けるためには、言葉が出てくる順序や前後にある語がどうなっているか、そして、文のなかでの役割=働きを知る必要があります。
つまり、文法規則を理解しなければなりません。
具体的にここでは、 broken という過去分詞には、少なくともこの3つの用法=意味合いがあるということを知らなければなりません。
そのためには、
①受動態(受け身)という「動詞や動作の態」という規則
②現在完了形という「時制」(過去形や現在形、未来形などとの時制の区別)
③分詞の形容詞的用法(分詞形容詞の用法。現在分詞が使われる場合との違い)
に注意を向けなければならないということになります。

posted by 田舎おやじ at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 聞き取りと会話 | 更新情報をチェックする

2013年03月20日

英語の聞き取りの練習方法

日本語の言語世界で生まれ成長した私たちにとって、英語の聞き取りはむずかしいものです。
難しさの最大の原因は、文法が理解できていないことにあります。しかも、文法は、かなりの数の単語や熟語、慣用句などの綴りや意味、用法などの記憶・理解のうえに成り立っているのです。
要するに、個々の単語にしても、文の構造や文章にしても、意味と文脈が理解できないからです。

しかし、このことは、半ば以上に自動化された脳の反応の仕組みの問題です。ですから、英語を学ぶ人自身には、「なぜできないのか」がわかりません。とにかく、むずかしい、理解できないというわけです。

◆文法情報は自分の頭のなかにある!◆

人間の脳は不思議なもので、子どもの頃から覚えてきた言葉の法則や用法を、そこそこ論理的に整理して組み立てているのです。
日常会話のとき、じつは私たちの脳は、文法や単語、会話規則についてのデイタベイスとやり取りして言葉を発し、相手の言葉を理解しているのです。
そのプログラムは自動化されていて、私たちが意識することはありません。日本語については、頭のなかに相当に豊かな情報=デイタベイスがあるのに、それを自覚的・意識的に使うことはないのです。
とはいえ、意識的にデイタベイスを利用するように訓練することはできます。

このことのために、私のアドヴァイスは「日本語をきちんと正確に話すこと」「日本語の文法を理解すること」「自分が話そうとする文を、文法的に分析してみること」を最重要の課題としているのです。
私たちは、日本語の世界で生まれ育ったので、英語の文法や語法・書法を自動的反応にするように身につけることがないうちに大人になってしまいました。

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◆理解の糸口は文法、そして文法は最高の武器◆

しかし、日本語については自動化された理解システムが頭のなかに仕込まれているはずです。デイタベイス化され、自動判別回路ができているのです。
それを徹底的に利用するために日本語を学び直して、英語文法との連結の回路を組み立てて、文法上、語法上、日本語と英語とをリンクさせようという狙いなのです。

はっきり言って、文法を理解しない人、理解しようとしない人は、どれほど英会話の学習をしても、ほとんどまったく無駄です。

◆聞き取りの基礎は話すこと◆

幼児が言葉を覚えていく過程をみると、「自分で声を出すこと」「自分の声を周りの人の言葉に似せること」「片言を口にすること」から始めています。たぶん、生きるために「自分の欲求を相手に伝達すること」が最優先されるからではないでしょうか。
そして、幼児は自分が話せる言葉能力よりも高度なことは、やはり意味を理解するという意味では「聞き取ること」ができないようです。
してみれば、とにかく話すこと、自分の気持ちや要望を発信することが、聞き取り能力の学習の出発点になっているようです。
というよりも、「生き残るために」自分のメッセイジをまず相手に伝える、そのために今度は相手の言葉を理解する、という仕組みというかプロセスなのでしょう。

そうなると、聞き取りの訓練のために「自発的に話すこと」「話すための言葉の準備」がまず必要になります。
したがって、聞き取り練習では、相手の話題の文(教材テクストの文)の文法上の構造をできるだけ理解し、すべての単語や熟語、慣用句について理解して、自分で会話に使えるところまで習熟(予習)しておくことが不可欠です。
聞き取りでの「落ちこぼれ」「脱落」の大半以上が、このことを踏まえていないで、甘い準備(予習)しかしていないことが原因で発生するようです。日々の地道な準備が、1年後の大きな成果に結びつくはずです。

ヒアリング練習では、はじめのうちは、事前に読んで学び、自分で十分理解し理解した文を聞き取ることから始めましょう。そういう文をできるだけ増やして経験を積むことで、達成感(つまり理解のデイタベイス)を感じることができ、新たな努力目標が生まれてくるでしょう。

posted by 田舎おやじ at 08:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 聞き取りと会話 | 更新情報をチェックする

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